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この土地の美しい水・環境を大切に。1912年から100年以上続く手作り製法。高橋金蔵豆腐店さんにインタビューしてきました!

この土地の美しい水・環境を大切に。1912年から100年以上続く手作り製法。高橋金蔵豆腐店さんにインタビューしてきました!

ピロール農法の素晴らしさをもっと多くの方に知っていただくために、「人」に密着してインタビューするシリーズ。

今回はピロール農法で作られた大豆で豆腐づくりにご協力いただいている、高橋金蔵(KINZO)豆腐店さんにお話を伺いました。

日本でも数少ない地釜で手作りの豆腐にこだわる理由とは?

この豆腐屋は、先代の高橋金蔵が1912年に創業したことが始まりです。

高橋金蔵は、私(4代目)のひいおじいちゃんにあたります。名前をモチーフに「KINZO」というブランドで、ピロール農法で作られた大豆でプレミアム豆腐を作っています。

当時別のお仕事をしていたようなのですが、事故で片腕を失ってしまい、、、それで、何かできる仕事を。

ということで豆腐屋を始めたそうです。「本当に片腕で豆腐づくりができるんか!?」という感じもしますが・・・笑


(右から:3代目のお父さん、4代目の息子さん、聞き手:谷)

今ではほとんどの豆腐屋さんが機械で作っていますが、私たちはこの場所でずっと手作りにこだわってやってきました。

この地域は山あいで人も少ないため、本当に水が綺麗でおいしいんです。井戸水を組み上げて豆腐づくりをしています。もちろん検査をして安全な水であることも確認しています。

美味しい豆腐づくりを追い求めていたら、自然とこのスタイルでずっと続けてることになったんですよね。

豆腐づくりの1日のスケジュールを教えてください。

父:深夜0時~1時頃に起きて、釜に火を付け、仕込みを行います。

前日から水に浸しておいた豆をこちらの機械ですりつぶします。

それをぐつぐつと甘みが出る瞬間まで根気よく煮る作業を行います。煮るのに3時間ほどかかるんですよ。

一番難しいことろは、火の入れ具合。この加減で出来上がったときの食感や甘さが全然違うんです。

一番美味しくなる瞬間を見極める!少しでもタイミングを間違うと、焦がしてしまったり、味が薄かったり、食感から何から何までが違ってしまうんです。

出来た豆腐は息子にバトンタッチし、作業場の片づけをしてお昼前にはお仕事を終えるイメージですね。

 

息子:私は父より時間差で3時頃に起床し、作業場へ。父がその日作った豆腐を揚げる係を担当しています。

朝の8時頃まで、厚揚げや薄揚げを作り、、、そうですね。全部合わせて200枚ぐらいでしょうか。

8時半ごろから配達に出かけます。

お客様のほとんど、、、8割ぐらいが個人さんですね。同じお客様を訪問するのはだいたい週に一度。そこで1週間分買われる方も少なくありません。

14時ごろには配達を終え、帰宅。

子供を保育園に迎えにいったあとは、自宅や外で一緒に遊ぶ時間にあてています。

家族で晩ごはんを食べ、9時頃には寝ています。

それぞれ、豆腐屋を継ごうと思ったのはなぜですか?

父:私は25歳(35年前)からこのお仕事をしています。当時は今と違ってインターネットもありませんし、他の選択肢も今ほど多くはありませんでした。普通に自然な流れで、今のお仕事をすることになりました。

息子:私の場合はもともと若い頃に、県外に出て生活していたんです。高校を卒業後、京都の大学でサッカーを。その後、新潟のクラブチームへ渡り、そこからのご縁でシンガポールへ。そこでサッカーのプロチームにも所属していました。

(身長が高く、体格もがっちりの息子さん。サッカーのプロチーム経験があると聞いて納得!)

・・・というように、けっこうあちこちに行かせてもらっているんです。

28歳ぐらいで地元福井に戻ってきて、1年他の会社で就職して、29歳から今の仕事をしています。このお仕事をするようになって現在6年目ですね。

私には兄と妹がいるのですが、2人は県外へ出て仕事をしています。それもあってか、自然な流れでもともとここには戻ってくるつもりでいました。

お仕事をしていて大変なところはありますか?

父:その日の天気や気温、温度管理などで味が全然変わってしまうので、あたりまえのいつもの味を、当たり前にやるのが難しいんです。

現在は機械での豆腐作りをしているところがほとんどです。その方が便利で品質も安定するのでしょうが、美味しい豆腐作りを追及していたら自然と手作りになるんですよねぇ。

息子:いいものを作っている自負はあります。でもお客さんを取りに行き過ぎると、今の生活スタイルが崩れてしまいますし、作ってからの配達が増えるのは嬉しいのですが、、、この良さをもっと広めたいとは思うのですが、そこのバランス感覚がいつも難しいですね。

この仕事の面白いところは?

父:美味しい豆腐が出来た時ですね!作る難しさの裏返しでもあるのですが、やはりずっといいものを作っていたいと思っています。

息子:父がずっと担当している、豆腐作りの部分にやはり興味があります。毎日作業するのを横で見ているのですが「うーん」「うまくいくかなぁ」など、その日の気象条件によって、作る難しさがあるようです。

豆腐づくりってとてもシンプルなんですが、実は奥が深いんです。サッカーと同じで、難しいから楽しい。うまくいく時がなんとも面白い!

そんな、作り手ならではの面白さがこのお仕事にはありますね。

最後にひとことお願いします

この地域はとても水がきれいで、美味しいんです。昔からずっと続いて来たこの作り方を変えたくありませんし、むやみやたらに観光地化もしてほしくない。

でも、 この良さを知ってほしい気持ちもあるので、私たちの想いを理解してくれる、これからを担う方たちといろんな活用方法、発信方法にも挑戦しているところです!

私たちの活動をどんなふうに展開していくか、谷さんとも協力しながら進めていきたいですね。

 

以上、高橋金蔵(KINZO)豆腐店、3代目のお父さん、4代目の息子さんのインタビューでした!

特に息子さんのライフスタイル。家族を大切にする毎日の過ごし方、自分たちの魅力を押し出すところと、守っていくべきものを大切にするところ、このバランス感覚がとても印象的でした。

理想のライフスタイルの一つの完成形を見せてもらったような気がします。

 

これからも美味しい豆腐づくりを続けていただきながら、私たちがその良さや魅力を広めていけたらと強く感じています!

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